私だってそのくらい考えた。



スマホをバックから取りだしては送ろうかと悩み、やっぱりやめる…。



そんなことの繰り返しで。



「…でもさ、彼女でもないのに面倒くさい女って思われないかな?」



そんなことばっかり考えちゃう。



はぁ…とため息をこぼすと、若菜はニコッと笑って口を開いた。



「今もう充分面倒くさいから安心しな?」



うっ…今の私にクリティカルヒット…。



若菜の言葉がグサッと突き刺さって、ぐうの音も出ない。



「…まぁ、今はとにかく体育館行くよ。後で話聞いてあげるから」



「うぅ…ありがとう若菜〜!」



若菜の塩対応を受けたあとに優しい事を言われると、泣きそうになってくる。



話し込んでいたクラスメイトたちが移動し始めたから、私と若菜も教室を出ようとしたんだけど。



「心優ちゃんおはよー。昨日はごめんね?」



異様に明るい声が耳に入って振り返る。