「ん〜!おいひい…!!」
紙から出してぱくりと頬張ると、シナモンの風味と甘いお砂糖が口いっぱいに広がった。
「ふっ…心優って、美味しそうに食べるよね?」
クスリと笑われて、頬がかぁっと熱くなる。
「う…こ、子供っぽい?」
美味しくてどんどん食べ進めていたら、あと半分もなかった。
…好きな人の前でこんな食べ方するんじゃなかったかも。
自分の失態を反省していると、廿楽くんの指が口元に伸びてきていて。
「んーん、かわいーよ」
「っ…!?」
私の口元に付いたお砂糖を指ですくって、ペロリと舐めた。
その仕草が、この遊園地に似つかわしくないほどに色っぽいから。
っ…それはちょっと、ずるすぎる。
まんまと廿楽くんの色気に当てられて、全身が沸騰したみたいに熱くなった。
「チョコ、食べてみる?…って、心優の顔すごい真っ赤…大丈夫?」