うーん……ほんとに困った。
「心優はなにとなにで迷ってるの?」
廿楽くんはもう決めたのか、私を待ってくれている。
「…シナモンとチョコ?」
「…ふーん」
申し訳ない気持ちで答えると、廿楽くんは一瞬間を置いてからなんでもないように相槌を打った。
「???」
え、なんで聞かれたんだろう?
自分で聞いておいて、特に関心なさそうだった廿楽くん。
…あれかな、私が優柔不断すぎて呆れられちゃったのかな。
そういうのも心がけた方がいいかも…と、若干不安になっていたら、廿楽くんが横にないことに気がつく。
あれ?廿楽くんはどこに……。
キッチンカーのレジがある方を見たら、定員さんと話している廿楽くんの姿があった。
そっか、もう買いに行ったんだ。
こうなるとさすがにもう決めないといけない。
よし、決めた!やっぱり王道のシナモンにしよう!