もしかしなくても、この遊園地の経営者って明楽先輩のご家族がやってるんじゃ…?



この場にいることが躊躇われる会話内容になってきたとき、お姉さんは私たちの方を見ながら顔の前で手を合わせた。



「…ごめんねぇ2人とも、ちょーっとこいつ借りてもいいかしら?」



「えっ?あ……」



別に私は構わないけど……。



明楽先輩の方を横目でちらりと見る。



顔をブンブン横に振っているから、行きたくないんだろうな…。



でも、ここで「無理です」とも言えないよね…?



またもや返答に困っていると、隣の廿楽くんが親指をぐっと立てた。



「どうぞ。僕たちのことは気にしないでください」



「うわ!廿楽くんさっきから酷すぎない!?」



明楽先輩の声も無視するくらいだから、廿楽くんさっきから機嫌はまだ治っていない模様。



ほんと、何がそんなに気に食わないんだろう…。



「ほんと?ありがとう〜!このお礼は必ずするわ!じゃあ響、早く行くわよ!」