腕を組んでムスッとした顔のまま、そっぽを向いてしまった。



「そ…そうだったの?でも、響と一緒にいてくれるなんて嬉しいわ!」



少し気まずそうだったお姉さんだけど、すぐに笑顔に戻って明楽先輩の頭を撫でた。



「響ってほら、モテるでしょ?それで男の子の友達がぜーんぜんいないのよ」



え…そうだったんだ…。



明楽先輩のことだから、男子からも女子からも好かれると思ってたけど…。



お姉さんから明かされた明楽先輩の友達事情に驚きつつ、聞いても良かったのだろうか…とも思ってくる。



「ちょ、髪崩れるからやめっ…」



「だから、もし良かったら友達になってやってちょうだい?軽いけど、悪いやつじゃないのよ。ふふっ」



顔を赤くして恥ずかしがる明楽先輩を気にせず、とても素敵な笑顔を見せたお姉さん。



明楽先輩の家族って、みんなこんな感じなのかもしれない。