それが痛いくらいに伝わってきた。
「だから、今日はめいっぱい楽しむことだけ考えてよ。心優ちゃんが笑ってくれたら、俺も笑顔になれるからさ」
「っ…えっと、」
なんて、言えばいいの…?
お礼を言うのも拒むのも違う気がして、なかなか正解が見つからない。
「…じゃ、そういうことだから。俺、あっちも見てくるね」
そんな私を察してくれたのか、手をヒラヒラ振ってまた違う商品棚のところに向かった。
………私も、これ買って別のお店に行こう。
今考えていたってしょうがない。
明楽先輩がああ言ってくれた以上は、私も楽しまなきゃ。
お会計を済ませたあと、私は次にアクセサリーショップへと向かった。
「え、廿楽くん?」
「やったね。心優に会えちゃった」
キラキラした店内に入ると、ショーケースをじーっと見つめる廿楽くんがいて驚く。