悩んだ末、もう1箱をカゴに突っ込んだ。



もしいらないって言われたら、明楽先輩とか若菜にあげればいいし。



「心優ちゃん2つも買うの?」



ちょっと驚き気味の明楽先輩に、首を横に振って否定する。



「いえ、違うんです。これは廿楽くんので…」



そこまで言ったところで、ハッとした。



っ、別に明楽先輩の前で言う必要なかったじゃん…。



後悔してももう遅い。



気まずくて明楽先輩の顔が見れず、俯こうとしたら。



「心優ちゃん。俺、そんなことでショック受けないよ?」



私の頭にぽんと手を乗せて、苦笑している明楽先輩。



「心優ちゃんが誰を好きであろうと、俺が心優ちゃんを好きなのとは関係ないし?気にせずアタックするんで、心配ご無用です」



「っ!!」



そう言いながらピースをする明楽先輩の笑顔は、偽っているものじゃなくて。



明楽先輩は本気で言っている。