思ったことをそのまま口に出してしまうくらい、嬉しくてたまらないの。
「だから…」
私も、握られた手を同じ様にぎゅうっと握り返す。
「これでおあいこ…っていうのはどうでしょうか」
今自分がしていることが恥ずかしくなって、最後の方は小さな声になっちゃったけど。
「…もちろん。っていうか、そもそも怒ってないしね」
ちゃんと私の声を受け止めて、微笑んでくれる。
そんな廿楽くんを、私なりに大事にしたいって思うんだよ。
「ふふっ、私も」
2人の間に、僅かな甘さを感じる。
暗がりの中、私の部屋に2人きり。
……なんか、この雰囲気なら言える気がする。
いつもと違う空気だからか、勇気を出そうと思った。
「…廿楽くん、あのね。いっこだけお願いがあるの」