……どういうこと、だろう。
廿楽くんの言葉を待っていると、私の手をぎゅっと握られて。
「心優が先輩と2人きりになられるのが、嫌だったからなんだ」
「っ…!!」
な、なにそれ…それってまるで…。
「先輩に嫉妬して、独占欲丸出しにして…ほんと、子供みたいなことした。本当にごめん」
「…っ」
次から次へと、私に都合のいいようなことが聞こえてくる。
廿楽くんの口から出てきた「嫉妬」と「独占欲」の言葉は、私の胸を高鳴らせるにはじゅうぶんすぎて。
「…廿楽くん、そんなこと謝らなくても大丈夫だよ。その…普通に嬉しい…というか…私、舞い上がっちゃったもん」
やっぱりまだ熱があるのかもしれない。
「っ!心優、それほんと…?」
「…うん。ほんと」