なんで違うところ見たんだろう…?



そんな疑問を抱きつつ、体を起こして脇に体温計を差した。



20秒ほど経ち、「ピピピッ」と電子音が鳴ったため取り出してみると。



「37.2℃かぁ…」



私の平熱はだいたい36.0℃くらいだ。



昼間よりはだいぶ楽だけど、一応微熱があるらしい。



「…うん、まだ安静にしておかないとね」



廿楽くんに体温計を元の場所に戻してもらって、もう一度布団に入った。



「えぇ…もう寝るの飽きちゃった…」



こんなに寝てばかりの日はあんまりないから、ちょっと退屈かも。



そう呟いたら、廿楽くんが珍しいものを見る目で私を見てきた。



「寝るの飽きるとかあるの?」



…たしかに、廿楽くんに寝るのが飽きたなんてことはないのかもしれない。



放っておけば、一日中寝てられるんじゃないかな。