自分がこんなふうに誰かのことを…ひとりだけの女の子を想うようになるなんて、思わなかった。
今までの俺は、一言で言えば“女たらし”と言われてしまうような人間だったと思う。
プレイボーイなんて言われたこともあるけど、どっちにしたって変わんないよね。
来る者拒まず、去るもの追わず。
特定の女の子は作らない。
これはずっと続けてきたことだった。
自分で言うのもなんだけど、俺は容姿が整ってる方だ。
俗に言うイケメンと呼ばれる部類。
それを自覚したのは、小学五年生くらいの上級生になった頃。
『ひびきくんってカッコイイよねー』
『わかるー!女子にも優しいし、頭もいいし50メートル走も1番だったもんね!』
『バレンタインデーはみんなひびきくんにあげるんだろうなー』