そう自分を奮い立たせて、なんとか学校に行くことができた。



「「あ」」



いつもより少し遅くなってしまい、登校してくる生徒が多くなってきた頃。



下駄箱で靴を履き替えていたら、バッタリ廿楽くんと遭遇した。



隣のクラスだから、どうしても顔を合わせる機会が多くなる。



…普通に、普通に。



ここで熱があると知られたら、面倒なことになりかねない。



だから平然を装って笑いかけた。



「おはよう廿楽くん。ちょっと今日寝坊しちゃって……」



「心優、なんか変」



「っ…え?」



まだ話している途中なのに、間髪入れずに指摘してきた廿楽くん。



う、うそ…もしかして気づかれてる?



何かすぐに言い訳を考えようとするけど、頭が働かない。