「じゃあね、心優。何かされそうになったらためらわずに殴ること」
「あはは、大丈夫だよ」
5、6限目も終えて放課後になり、若菜とそんな会話をしながら下駄箱の前で別れた。
これから私は明楽先輩との約束のために裏門へと向かう。
…廿楽くんと、あれ以降話せなかったな。
せっかく頑張って学校に来て、一緒にお昼まで食べてくれたのに。
…ううん、今こんなこと考えてたってしょうがない。
とにかく、先輩を待たせないように早く裏門に行かなきゃ。
頭をブンブン振って思考を変えてから、真っ直ぐ待ち合わせ場所へと足を動かした。