「心優、一緒にお昼食べよ」



ザワザワする教室。



女子たちの黄色い悲鳴。



真っ青な私。



「つ、廿楽くん……!?」



「なんでそんなに驚いてるの。約束したでしょ?」



「迎えに来るなんて聞いてないもん…!」



4限目が終わり、授業終了のチャイムが鳴ってから直ぐに廿楽くんが現れた。



廿楽くんが私の机の前にパンを持ちながら立っていて。



「…ダメだった?」



「っ…そんなことない、けど」



廿楽くんの悲しそうな顔を見て、ぎゅっと胸が締め付けられる。



廿楽くんの「ダメ?」攻撃に弱い私は、目線をずらしてそう答えた。