「心優が泣くようなことがあったら、ただじゃおかないんだから」



「ふふっ。ありがと、若菜」



「何かされたら言いなさい。イケメンがイケメンじゃなくなるくらい、ボコボコにしてやるわ」



「そ、それはさすがにやめたげて…?」



そんな冗談を言い合っていたら、ポッケに入っていたスマホが振動した。



『心優ちゃんは甘いもの好きー?ここのキッチンカー食べいこ♪』



相手は明楽先輩。



それを見た若菜と私は顔を見合わせて、同時に呟いた。



「「軽い…」」



授業開始のチャイムが鳴り響き、私たちの呟きはかき消されたのである。