もう私はそのまま天に召されてしまいそうになってきたところで、「あ、心優だ」と聴き馴染みのある声がして振り返った。



「おはよー…って、え?廿楽…?」



信じられない…と言う顔で現れた若菜は、呆気にとられている。



そりゃそうだ。



普段教室にすら姿を現さない廿楽くんが、こんな早い時間帯に登校してきているんだから。



驚くのは至って普通のことだろう。



「若菜、おはよう。あっ、髪切った!?」



「え…うん、切った…けど。え?なんで??」



廿楽くんがいることに相当驚いたのか、それとも私と普通に話していることに驚いたのか。