放課後に裏門で待ち合わせらしい。
廿楽くんにバレないようにしなきゃ…。
人間国宝レベルの黒髪廿楽くんを大事にしまいながら、そう決意したのである。
***
明楽先輩が自分の教室に戻ってから2学年の生徒たちがきて、廿楽くんも無事登校してきた。
「……心優、おはよう」
「おはよう廿楽くん。…眠そうだね?」
早朝の廿楽くんはまだ半分夢の中らしく、気を緩めたらすぐに眠ってしまいそうだ。
「うん……眠い。ひたすら眠い」
目をこすりながら大きなあくびをする廿楽くんは、どこからどう見ても可愛すぎる。
朝は低血圧なのかな…。