「……シツレイシマス」



保健室のドアをノックして

引き戸を、そっと開く。



死神が出ませんように。



「先生……あの……2年1組の楠田(くすだ)です」



保健室の中は、誰の気配もない。


ということは死神もいないっぽい。


よかった。


このまま、頼まれたプリントを

先生の机の上に置いて去ろう……



「ケガしたの?」