そう、勘違いをしていた。この道を共に歩んでくれる彼もまた、私を受け入れてくれる存在の一人なのだ。夢の中を巡る助けをしてくれる、大切な相棒の一人。となるときっと、よそよそしく遠慮なんてしたらそれこそ失礼なのだろう。


「距離をとりたい訳じゃないし、その方が君が喜ぶかなと思っただけなの。傷付けたならごめんなさい。また何かあったら言って欲しい。私もすぐに言うので」

「……」

「えっと、じゃあ……まず一つ。思いあがりも甚だしいと思ったんだけど、思いついちゃったから聞いてみます。あの、ライオンさんが一人で街の外にいた理由って、もしかして私を探しに来てくれてたから?」

「……」


俯き加減の上目遣いで、じろりと私を見るライオンさん。こんな事を聞いてどんな返事が返ってくるのかと、ドキドキしながら待っていると、


「……当たり前だろ」


その一言をぶっきらぼうに私に返すと、それ以上こちらに顔を向ける事無く、また前に向き直ってライオンさんは歩き出した。そんな彼に、私は思わずにやけだす顔を抑えながらついて歩く。

どうやら納得してくれたらしいし、私を探してくれた事で間違い無かったらしい。私を見つけて駆けつけてくれたあの時の彼を思い出す。あの場面はそんな感動的なシーンだったのかと、逃げようとした自分に少し後悔した。