「え、でも如月さんは…」


「あー私は大丈夫大丈夫。じゃ、お願いね。咲那もまた明日ー」



二人に手を振って来たばかりの道を走って戻る。


この流れだったら三人で帰るところだったけど、それなら二人きりにさせてあげた方が咲那のためになるだろう。



咲那のことだから告白まではいかないかもしれないけど、二人きりで帰るのはかなりでかいし、少しくらい進展があるかもしれない。



「うまくいくといいな…」



誰もいない廊下でそうぽつりと漏らした。


だけど、この時の私はまだ知らない。この選択が私の人生を大きく変えてしまうことを。





次の日。学校に向かいながら今日何度目かのスマホの通知を確認する。


だが、咲那からの返信はない。



昨日家に帰ってから咲那にLINEをしてみたが、返ってこなかった。


いつもだったら何か進展があるとすぐにLINEか電話で報告してくれるから、てっきり昨日もたくさん通知が来ると思って待っていたのに。


もしかして勝手なことをして怒ってる…とか?いやでも咲那はそんなことでは怒らない気がするけど…。



悶々と考えていると、靴箱で咲那の後ろ姿を見つけた。