そんな考えを巡らせていると、廊下からドタバタとこちらへ走って来る音が聞こえてきた。その直後、勢い良くドアが開けられた。 「オレ、祭りに行きたいぞ」 幼い喋り方をする弟は私の部屋へとズカズカと入ってくるなり、今一番聞きたくない単語を言った。 「嫌だ」 勿論、二つ返事で断る。ただでさえ夏に外に出るのすら億劫だというのに、更には気まずい仲(私だけだが…)へ行けと?畜生にも程がある。行きたくない理由を悶々と意味もなく綴っていると、話すだけの説得では無駄だと思ったのか床に寝っ転がりだした。
(あ…マズイ) そう思い宥めようとするも時既に遅し、弟はこの世のものとは思えない程の奇声で泣き始めた。
(あ…マズイ) そう思い宥めようとするも時既に遅し、弟はこの世のものとは思えない程の奇声で泣き始めた。