「息吹を愛してるからね」

「っ、」



美聖は、目を見開いて驚く息吹の唇に口付けをする。 初めて触れた息吹の唇があまりにも甘くて嬉しいを通り越して切なくなる。


美聖はゆっくりと唇を離しかけて、一度、またいたずらに唇を奪ってから、ようやく離れる。そうして、熱の篭った瞳で息吹を見つめる。




「──好きだよ。息吹が大好きです。これからも息吹を愛し続けていい関係が欲しい」




そう言って美聖がポケットから紺色の四角いリングケースを取り出すと、その中の指輪を息吹の左手の薬指に通す。