「でも、ありがとう。柊がそういう人間でよかった。だから、息吹も心を開いてる(、、、、、、)んだろうけど」




静かな楽屋に、「八百万の神です」と暖太の寝言が響く。周音は楽しそうに笑いながら折り重なって眠るふたりへ視線を向ける。



そうして美聖に横顔を向けたまま周音が唇を開く。




「あいつこの頃よく連絡寄越すようになったんだよ。やたらと事務所で撮った食べ物の写真送ってきてね」

「……」

「パンケーキ、美味しかった?」



喉の奥で笑いを転がすような周音は、全て見通していた。美聖が「世界一」と答えると「大袈裟だな」とまた笑われる。