「あのっ」
美聖が前のめりで周音に声をかけると、向こうは柔らかな笑みを浮かべたまま向かいにあるソファーを指さす。
「まあまずは座りなよ」
「はい。ありがとうございます」
美聖はソファーに座ると、太ももの上に乗せた手をギュ、と握りしめる。
それから、正面に足を組んで背もたれに身体を預けて優雅に微笑む周音を、真っ直ぐと見据える。
「単刀直入に言います。息吹さんと同居させていただきます」
緊張で手のひらが自然と汗ばむ美聖と違い、周音は悠然とした態度でゆったりと足を組み替える。
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