遊佐は電話の相手と話をしながら、楽屋の扉を開けたまま、目線で美聖に「入れよ」と合図をくれる。



「ありがとうございます」



美聖は電話の邪魔にならないぐらいの声量でお礼を告げ、SH/KIの楽屋へと入った。




「お、久しぶりだね、柊」



楽屋の中央にある黒革のソファーに腰掛けていた周音が、美聖に手招きをする。


その奥にある畳の空間で、何故か折り重なってSH/KIのメンバーである比良里と椿が眠っている。