「美聖さんと息吹さんのこと僕個人としては応援してます。でも、だからこそ、マネージャーとしては現状での同居は応援できかねます。それだけは言わせてください」




そう言った片平の顔が複雑で切なげで、美聖は思わず「ごめん」と謝ってしまった。これならいっそ、頭から否定された方がマシだった。


下唇を噛んで歩幅を広げて廊下を歩く。突き当たりがSH/KIの楽屋だ。その時、美聖が目的地としていた扉が開いた。




「明日?ああ、大丈夫。妃夏が起きれたらな」



スマホで電話をしている遊佐が現れたかと思うと、向こうも美聖に気がつく。


やたらと優しい表情の遊佐に、男の美聖でさえも胸が鳴ってしまう。