センター分けされた前髪に、緩くウェーブした黒髪。白いワンピースがお互いをより美しく際立たせている。剥き出しの肩は細く、陶器のように滑らかで白い。




「息吹さん、寒くない?」

「ん?ああ、」




美聖の言葉に、息吹は近くのスタッフから羽織ものを貰おうとそちらに意識を向けた。


その時、ふわり、と息吹の視界をチャコールグレーが覆う。そのすぐあとに、微かに鼻をくすぐるウッディの奥深い香り。




「俺のでよければ着てて」



剥き出しになっていた息吹の肌に、美聖の温もりを残したコートが掛けられる。


息吹が驚きながら美聖へ顔を向ければ、彼は目を細めて微笑んでいた。