瑞希は、息吹しか見えていないような美聖を笑いながら、もう一度その背中を叩いて鼓舞する。




「"柊くんとお昼食べる約束してるからだよね"って、みんなで噂してたの」




がんばってね、と耳打ちした瑞希は息吹と入れ替わりで監督の元に走っていった。



息吹は瑞希とすれ違いざまに抱きつかれながら楽しそうに笑う。その余韻を残した笑みのまま、美聖のもとへやってくる。




「ごめんね、忙しいなか来てくれてありがとう」

「関ヶ原の戦いしてても行くよ」

「うん、うん、わかった。何があっても来ようとしてくれた気持ちはよくわかりました。ありがとう。」



息吹は少しずつ美聖の扱い方に慣れてきたのか、笑いながら頷いている。