「柊さん、わざわざありがとうございます。うちの息吹が無理言ったみたいで」

「……(女神で天使で天女)」

「柊さん?」

「え?あっ、」




美聖は息吹に見惚れすぎて、そばに来ていた木村に全く気が付かなかった。訝しげな表情の木村に、慌てて手にしていた紙袋を手渡す。




「お邪魔します。柊 美聖です。あの、これ、差し入れです。皆さんで食べてください」

「こんなお気遣いまで。ありがとうございます。もう少しで休憩入るので、待っててくださいね」

「はい。ありがとうございます」




にこやかな笑みを浮かべる美聖に、木村はその場を立ち去りかけて、それから、再び美聖へと顔を戻す。


美聖はそんな彼女を見下ろして、笑みは緩めずに、瞳だけで問う。