「今日の柊さんご機嫌ですね」

「そうかな。そうかもしれない。」



美聖と翠は映画告知の出演番組を2本続けざまに終え、映画スタッフ込みでミニバンに乗り込み、3本目の現場に向かう。

その途中、ご機嫌な美聖の隣で、朝の多忙さに疲れた顔をする翠が欠伸をする。

翠には口が裂けても息吹と電話したなどとは言えないので、美聖はご機嫌の理由をもうひとつのものに変換する。



「良い夢を見たから」

「息吹さんですか」

「ヒョッ!え、ふぁ?違うよ、片平さんとスイーツビュッフェ行った夢」

「それ別に良い夢じゃなくないですか?」