美聖は、先程から睡眠のためにカフェインレスの紅茶を淹れようと思ってお湯を沸かしたケトルが保温のままになっている。




〈もし、美聖くんが時間があればでいいんですけど、お昼一緒に食べません?〉

「え!!!!!!!」

〈いきなり発声練習するのやめてもらっていいですか〉

「す、すみませんっ、い、行きます食べます美味しく!お昼!息吹さんと、食べます!」




嬉しくて前のめりになる美聖に、息吹はまた笑う。電話越しの息吹はよく笑う。


その笑い声はアイドルの彼女からはあまり聞きなれないもので、美聖は一体彼女がどんな表情で笑っているのか実は気になって仕方ない。




〈それじゃあ、明日また連絡しますね。〉

「わかりました。ありがとうございます」

〈あ、あと〉

「?」