常に顔色が悪く、笑顔も弱々しくて、いつ倒れるのかと片平は気が気ではなかった。


それでもプロ魂というのか、美聖の仕事には決して穴を開けないところは尊敬していたが、逆に言えば、この人の心休まるところなどあるのだろうか、と不安になったのも確かだ。





「よし……片平さん、俺は今から電話をするよ。神と通信します。」

「(神……。)」




いくらなんでも崇拝し過ぎだろ、と片平は思いつつ、事務所で幾度か見かけたことのある息吹の存在の神々しさに、片平も俄に納得してしまうあたり、美聖に侵食されているのを、彼自身気がついていない。



美聖はようやく紫柄のスマホを耳に当てる。緊張は全面に出ているものの、嬉しさが緩む口元から滲み出ている。



「(よかった、)」



片平は思わず安堵の息を零す。