「それじゃ」と髪を揺らして歩き出した息吹が、数歩先で立ち止まり、くるりと振り返る。その動きひとつひとつが、甘美で美しい。 「じゃあまたね、お友達の美聖くん(・・)」 楽しそうに笑う息吹があまりにも可愛すぎて、美聖はありもしないペンライトを思わず振った。