美聖は息吹の笑顔を見て安堵する。それから、彼女には悉く振り回されっぱなしだと改めて実感して、思わず笑う。




「よかった、何ともなくて」

「、」



美聖の、春の陽だまりのような優しい笑みに、息吹は固まる。


そんな彼女に気が付かず、美聖は自動販売機へと視線を移す。





「念の為なにか温かいもの飲みますか?」




美聖の美しい横顔のラインが息吹の視界に映る。


滲み出る優しくて柔らかな雰囲気は、芸能人の中でも珍しいと息吹は常々思う。息吹が所属するアイドルでは特に。