息吹は何も言い返さずに押し黙る一方の美聖に、怒りと呆れを混ぜ込んだようなため息を零す。


そして、ぐっと美聖へと近づくと、その綺麗な顔を歪ませて低い声で言い放つ。





「仕事舐めてんなら今すぐ帰れや」




息吹は振り返るとさっさと行ってしまう。美聖は、そのまま後頭部を窓に預ける。


はあ、と長い溜息が天井に消えゆく。



年下の女の子に酷い言われようだ。


そして、その女の子の瞳の中に映る自分が一番酷い顔をしていた。




休憩明け、監督の気遣いで美聖の姿はカーテンにすっかりと隠れることになり、主に息吹を映すだけに変更された。