やりたいことなんてない。なりたいものなんてない。 それに一番恥じてるのは、苛立っているのは、美聖自身だ。誰にも言えないまま、日々焦燥ばかりが肥大化していく。 「(……だる。もうなんも考えたくねえ)」 美聖は、現実から逃れるようにそっと目を閉じた。気づけば眠りに落ちていた。