そして1年の教室の前を通るそのとき、




「へぇっ????」


あ、アイツだ…

なんたっけ…

そーだ、唯子だ。



見た目からしても頭は馬そうだった。

そして今は馬鹿というよりも、

考え事をしていたらしい。

そして、先生に当てられた…。


すぐにも助けたくなった。




「おい、理玖~。行くぞ~」




でも、太一は先に行ってしまっていた。


お、コレだ!



「あ~、悪い。先行ってて」

「はぁぁぁ~?…しょうがねぇなぁ」



―タタタタタッ

よっしゃ、作戦成功~

唯子の席は、幸運にも廊下側で…


「唯子…、答えは X=2 だ!」



こそこそ声で教えてあげた。

するとビックリしたのか、顔をパクパク…じゃなくて口をパクパクさせていた。


でも俺はこれ以上いると、怪しまれる。



――――すぐに去った。


唯子はちゃんと…

答えられたかな。

怒られて、泣いたりなんかしてねぇかな…


無性に心配だった。