同時にびゅうっと突風が吹き、目の前にあるメイド二人と私たちを隔てていた植物が激しく揺れる。
それによって近くに置かれた鉢植えや柵が倒れ、二人はようやく私とルザークの存在に気がついた。
「えっ!? あ、アリア、お嬢様……?」
「もしかして、今の話を……」
表情に怯えを浮かべたメイド二人の視線が私に留まり、ルザーク、ゼノと続く。
「ご自分の胸に手を当てて思い出してみてください。先ほどの発言がどれだけ愚かなことか」
ゼノが冷ややかに彼女たちを見据えると、自分たちの放言を思い返しているのか、その顔は徐々に青くなっていった。
見事なまでに子どもに窘められる大人の図が完成している。
「も、申し訳ございません!!」
「さっきの話は本気ではなくて、その……申し訳ございませんっ」
彼女たちは震え上がって許しを乞い、弁解を求めようとしている。