「以前よりも活動的になられたのは喜ばしいことですが、あのように薄着で出歩くのはいけませんと申し上げたでしょう?」

 体が冷えてしまったため、シェリーは朝食前のホットティーを淹れてくれた。
 その間にシェリーからは、私の身体を案じるが故のお小言を聞かされる。

「ごめんね、シェリー。次からは気をつける」

 今朝はギリギリに起きてしまったため、服装に気を使えなかった。
 明日からは防寒対策をしっかりして窓辺に立とうと決める。

 けれど、シェリーは未だに納得がいっていない様子だった。

「次からとは、お嬢様……また公爵様にあのようにご挨拶を?」
「うん。だってお父様に会えるのは、あの時間しかないから」

 暮らす場所が本館と別館で違うため、どうしても接触の機会は限られてしまう。

 そしてクリストファーは自ら進んで私に会うことはないので、あのように待ち伏せていないと顔すら見られないのだ。