あちらこちらから聞こえる楽しそうな声を聞きながら歩いていると、目的のハンバーガー屋が見えてきた。
全てテラス席のようで、店の周りにはたくさんの椅子と机が並べられている。
しかしちょうどお昼ご飯の時間だからか、ほとんど席は埋まっていた。
「先に席取るか」
「たしかにその方がいいかも」
近くの空いていた席に荷物を置いて、かばんから財布を取り出す。
レジに向かおうとしたとき「なあ」と桐谷くんから声をかけられた。
「何頼むか決めた?」
「うん、アボカドのわさびのやつにしようかなって」
「へー、辛いの好きなんだな」
そう言われてはっとした。
思えば無意識に自分の好きなものを選んでいた。
桐谷くんにはもういろいろなことがバレているから、いまさら隠したって意味はないのかもしれないけれど、何も考えていなかった自分に驚いた。
「うん、好きなの」
なんだか心の奥が温まる。
誰に迷惑をかけるわけでもないのに、自分のキャラを守るため、食べるものさえ嘘をついていたけれど、それをやめることができる日が来るなんて。
全てテラス席のようで、店の周りにはたくさんの椅子と机が並べられている。
しかしちょうどお昼ご飯の時間だからか、ほとんど席は埋まっていた。
「先に席取るか」
「たしかにその方がいいかも」
近くの空いていた席に荷物を置いて、かばんから財布を取り出す。
レジに向かおうとしたとき「なあ」と桐谷くんから声をかけられた。
「何頼むか決めた?」
「うん、アボカドのわさびのやつにしようかなって」
「へー、辛いの好きなんだな」
そう言われてはっとした。
思えば無意識に自分の好きなものを選んでいた。
桐谷くんにはもういろいろなことがバレているから、いまさら隠したって意味はないのかもしれないけれど、何も考えていなかった自分に驚いた。
「うん、好きなの」
なんだか心の奥が温まる。
誰に迷惑をかけるわけでもないのに、自分のキャラを守るため、食べるものさえ嘘をついていたけれど、それをやめることができる日が来るなんて。