「んで、どこ行く?」

「え?」

「お化け屋敷とジェットコースター、どっちもあるとこなんてここら辺にあんの?」


そう言って桐谷くんはスマホを操作する。
するとすぐに手は止まった。


「おー、意外にあるもんだな。うわ、めっちゃ怖そー」


ほら、と見せてくれた画面をのぞくと、そこには有名な遊園地のサイトが映っていた。
怖いと有名なお化け屋敷は、私がずっと行ってみたいと思っていたところだ。


「気に入った? ここにする?」

「え、すごくいいと思う、けど……ほんとに一緒に行ってくれるの?」

「行くよそりゃ。自分で付き合うって言ったし」

「で、でもふたりで……?」

「なんだよ、俺とじゃ不満なの」

「そんなことないよっ、でも……」

「じゃあいいだろ。んでいつ行く? 明日とか?」

「明日!? え、えっと私は空いてるけど」

「ん、じゃあ決まりだな」


困惑している間に予定が決まってしまった。
信じられない。
桐谷くんはとてもフットワークが軽い人らしい。
まだびっくりしているけれど、でも。


「ありがとう、嬉しい」
「ん」


そう言って微笑む桐谷くんは、なんだかすごくキラキラして見えた。