「ちゃんと言った方がいいってわかってるんだけど、今更言いづらくて……そうやって悩んでたら余計話しにくくなっちゃって」
「ふーん……まあでも、無理してまで話す必要ないんじゃね? そういう優しい嘘なら」
「え、いいかな……?」
まさか肯定されるとは思わず驚く。
「ま、早坂が話したいんなら話した方がいいんだろーけど」
目の前の景色を見ながら、その言葉を聞いて考える。
本当のことを言ったら母のことを傷つけるかもしれない。
こんなことも気付かなかったなんてと、余計な不安を煽るかもしれない。
だけど……
「ちなみに、ほんとの趣味はなんなの」
「え?」
「好きなこと、なんかねえの?」
「それは……ある、けど」
ドキンと心臓が嫌な音をたてる。
「へえ、なに?」
「……言いたくない」
桐谷くんからふいっと目線を外す。
思い出したくなんかないのに、脳が勝手に中学生のときのことを呼び起こしてくる。
「ふーん……まあでも、無理してまで話す必要ないんじゃね? そういう優しい嘘なら」
「え、いいかな……?」
まさか肯定されるとは思わず驚く。
「ま、早坂が話したいんなら話した方がいいんだろーけど」
目の前の景色を見ながら、その言葉を聞いて考える。
本当のことを言ったら母のことを傷つけるかもしれない。
こんなことも気付かなかったなんてと、余計な不安を煽るかもしれない。
だけど……
「ちなみに、ほんとの趣味はなんなの」
「え?」
「好きなこと、なんかねえの?」
「それは……ある、けど」
ドキンと心臓が嫌な音をたてる。
「へえ、なに?」
「……言いたくない」
桐谷くんからふいっと目線を外す。
思い出したくなんかないのに、脳が勝手に中学生のときのことを呼び起こしてくる。