「そっか……ごめんね、私なにも知らなくて」
「いや早坂なんも悪くねーから。それにべつに俺の家、テレビでよくニュースになってるようなこととかも全くねーし。父さんも彼女の人もいい人だからさ。ま、だからこそ気遣うんだけど。幸せになってほしいし」
最後の言葉は小さくも優しい口調だった。
心配するようなことがないならそれでいい。
ほっと安心しながら、彼のことをひとつ知れて少し嬉しかった。
「あ、そうだこれ……よかったら」
ふと思い出して、かばんからこの前作った手作りのコースターを彼に手渡す。
「なんだこれ、花?」
桐谷くんは差し出されたものが何なのかわかっていない様子だったけれど受け取ってくれた。
「うん、お花のコースター。たくさん作ったからよければもらって」
「は? 手作り? 早坂の?」
「え、そ、そうだけど……」
驚いた顔をした桐谷くんに聞かれてなんだか不安になる。
もしかして気持ち悪かった……?
食べるものじゃないからあまり気にしないだろうと思っていたけれど、それは私の価値観であって、彼の考えではない。
「いや早坂なんも悪くねーから。それにべつに俺の家、テレビでよくニュースになってるようなこととかも全くねーし。父さんも彼女の人もいい人だからさ。ま、だからこそ気遣うんだけど。幸せになってほしいし」
最後の言葉は小さくも優しい口調だった。
心配するようなことがないならそれでいい。
ほっと安心しながら、彼のことをひとつ知れて少し嬉しかった。
「あ、そうだこれ……よかったら」
ふと思い出して、かばんからこの前作った手作りのコースターを彼に手渡す。
「なんだこれ、花?」
桐谷くんは差し出されたものが何なのかわかっていない様子だったけれど受け取ってくれた。
「うん、お花のコースター。たくさん作ったからよければもらって」
「は? 手作り? 早坂の?」
「え、そ、そうだけど……」
驚いた顔をした桐谷くんに聞かれてなんだか不安になる。
もしかして気持ち悪かった……?
食べるものじゃないからあまり気にしないだろうと思っていたけれど、それは私の価値観であって、彼の考えではない。