何気なく桐谷くんを見ていると、コンビニの袋を持っていることに気付いた。
「なにか買ったの?」
「晩飯」
「そうなんだ……あ!」
「は? なんだよ、びっくりした」
「ご、ごめん。桐谷くんに話したいことがあったんだって思い出したから」
お昼のときはあんなに話したかったのに、時間がたってしまったからか、頭の中からすっぽぬけていた。
自分のことながら呆れて笑ってしまう。
だけど桐谷くんは真剣な表情で私の方へと近づいてくる。
「なに? またなんかあったのか」
「あ、ううん、 違うの! いいことがあったから話したくて……!」
桐谷くんが思いのほか近くまで寄ってくるからドキドキしてしまう。
すすっと後ろに下がると、桐谷くんは「なんだ」と言って元の体勢に戻った。
「あ、ありがとう、心配してくれて」
「べつに。で、話したいことって?」
「え、えっと……今日ね」
お昼休みにあったことを順番に話す。
私が買ったおにぎりをCMのものだと思っているひまわりちゃんに、これは別のものだとちゃんと話せたこと。
ずっと人の言葉を否定するのが怖くてできなかったけれど、今日は違うことは違うと言えたこと。
すぐに桐谷くんにこのことを伝えたかったこと。
隣にいる彼は、相槌を打ちながら最後まで聞いてくれた。
そして「よかったじゃん」と優しく微笑んだ。
「なにか買ったの?」
「晩飯」
「そうなんだ……あ!」
「は? なんだよ、びっくりした」
「ご、ごめん。桐谷くんに話したいことがあったんだって思い出したから」
お昼のときはあんなに話したかったのに、時間がたってしまったからか、頭の中からすっぽぬけていた。
自分のことながら呆れて笑ってしまう。
だけど桐谷くんは真剣な表情で私の方へと近づいてくる。
「なに? またなんかあったのか」
「あ、ううん、 違うの! いいことがあったから話したくて……!」
桐谷くんが思いのほか近くまで寄ってくるからドキドキしてしまう。
すすっと後ろに下がると、桐谷くんは「なんだ」と言って元の体勢に戻った。
「あ、ありがとう、心配してくれて」
「べつに。で、話したいことって?」
「え、えっと……今日ね」
お昼休みにあったことを順番に話す。
私が買ったおにぎりをCMのものだと思っているひまわりちゃんに、これは別のものだとちゃんと話せたこと。
ずっと人の言葉を否定するのが怖くてできなかったけれど、今日は違うことは違うと言えたこと。
すぐに桐谷くんにこのことを伝えたかったこと。
隣にいる彼は、相槌を打ちながら最後まで聞いてくれた。
そして「よかったじゃん」と優しく微笑んだ。