「あっ、結衣! このおにぎり、今CMでやってるやつでしょ!?」
ひまわりちゃんはいつの間にか、私がコンビニで買ったお昼ご飯をキラキラした目で見ていた。
その言葉と表情に一瞬口ごもる。
だけど今日は、ほんの少しの勇気を吸う息いっぱいに込めて吐き出した。
「ううん違うの。これ似てるんだけど、CMのとは別のやつなんだ」
「えっそうなの!?」
「私も買うとき似てるなあって思ったんだけどね、CMのおにぎりよりもこっちの方が美味しそうだったから」
「言われてみればたしかにそうかも! わたしもこっちのおにぎり買ってみよっかな~」
ひまわりちゃんはいつもと変わらない、明るい表情で笑っていた。
隣で七瀬ちゃんが「なんでCMのやつより似てるやつが人気出てんの」とツッコむ。
それを聞いていた瑠々ちゃんが「ウケるう」と声を出して笑う。
――誰も、私が違うと否定したことを気にしてなんかいない。
誰も、不機嫌になんかなっていない。
……なんだ、こんな簡単なことだったんだ。
今思えば当たり前なことが、胸の中にすとんと落ちてくる。
ずっと、人の言葉を違うと否定するのが怖かった。
相手がどんな風に反応するのかわからなくて、言えなかった。
だからさっきみたいに声をかけられたときや、私の気持ちをわかったように話して決めつけられたとき、そうじゃないと言うことができなかった。
そうかも、と曖昧に誤魔化して。
あはは、と愛想笑いをして。
そうやって無難な返しをして、平和に時が過ぎるのを待つ。
だけど、だけど今日は。
ひまわりちゃんはいつの間にか、私がコンビニで買ったお昼ご飯をキラキラした目で見ていた。
その言葉と表情に一瞬口ごもる。
だけど今日は、ほんの少しの勇気を吸う息いっぱいに込めて吐き出した。
「ううん違うの。これ似てるんだけど、CMのとは別のやつなんだ」
「えっそうなの!?」
「私も買うとき似てるなあって思ったんだけどね、CMのおにぎりよりもこっちの方が美味しそうだったから」
「言われてみればたしかにそうかも! わたしもこっちのおにぎり買ってみよっかな~」
ひまわりちゃんはいつもと変わらない、明るい表情で笑っていた。
隣で七瀬ちゃんが「なんでCMのやつより似てるやつが人気出てんの」とツッコむ。
それを聞いていた瑠々ちゃんが「ウケるう」と声を出して笑う。
――誰も、私が違うと否定したことを気にしてなんかいない。
誰も、不機嫌になんかなっていない。
……なんだ、こんな簡単なことだったんだ。
今思えば当たり前なことが、胸の中にすとんと落ちてくる。
ずっと、人の言葉を違うと否定するのが怖かった。
相手がどんな風に反応するのかわからなくて、言えなかった。
だからさっきみたいに声をかけられたときや、私の気持ちをわかったように話して決めつけられたとき、そうじゃないと言うことができなかった。
そうかも、と曖昧に誤魔化して。
あはは、と愛想笑いをして。
そうやって無難な返しをして、平和に時が過ぎるのを待つ。
だけど、だけど今日は。