あの日――桐谷くんの前で情けなくも泣いてしまった日から、私が苦しいまま抱きしめていたものは両手に収まるくらいに小さくなった。
人に悩みを話したって、自分が行動しないと問題の解決はできない。
それでも誰かに話を聞いてもらうというだけで、思いのほか心が楽になるんだと実感した。
「あれ、なーちゃん今日はコンビニなの~?」
午前の授業が終わったお昼休み。
いつものメンバーで卓を囲んでいると、瑠々ちゃんが七瀬ちゃんのお昼ご飯を見て言った。
「ああ、今日は寝坊したから」
「えっ七瀬が!? 珍しいねー!」
ひまわりちゃんが驚いている通り、七瀬ちゃんが寝坊なんて珍しい。
彼女は毎朝早起きして自分のお弁当を作っている人だから。
それも、そのあとメイクをしてから登校するというのを毎日続けている、努力家の人だ。
「七瀬ちゃん、体調悪かったりするの? 大丈夫?」
心配になって声をかけると、彼女は優しく目を細めた。
「大丈夫。彼氏と電話してたら寝るの遅くなっただけだから。ありがと」
「ううん、それならよかった」
そう返事しながら、羨ましいという気持ちがひょこっと顔を出す。
七瀬ちゃんは2年付き合っている彼氏さんがいる。
相手はバイト先の先輩だそうで、会ったことはないけれど写真を見せてもらったことがある。
美人できれいな七瀬ちゃんに似合う、かっこいい人だった。
人に悩みを話したって、自分が行動しないと問題の解決はできない。
それでも誰かに話を聞いてもらうというだけで、思いのほか心が楽になるんだと実感した。
「あれ、なーちゃん今日はコンビニなの~?」
午前の授業が終わったお昼休み。
いつものメンバーで卓を囲んでいると、瑠々ちゃんが七瀬ちゃんのお昼ご飯を見て言った。
「ああ、今日は寝坊したから」
「えっ七瀬が!? 珍しいねー!」
ひまわりちゃんが驚いている通り、七瀬ちゃんが寝坊なんて珍しい。
彼女は毎朝早起きして自分のお弁当を作っている人だから。
それも、そのあとメイクをしてから登校するというのを毎日続けている、努力家の人だ。
「七瀬ちゃん、体調悪かったりするの? 大丈夫?」
心配になって声をかけると、彼女は優しく目を細めた。
「大丈夫。彼氏と電話してたら寝るの遅くなっただけだから。ありがと」
「ううん、それならよかった」
そう返事しながら、羨ましいという気持ちがひょこっと顔を出す。
七瀬ちゃんは2年付き合っている彼氏さんがいる。
相手はバイト先の先輩だそうで、会ったことはないけれど写真を見せてもらったことがある。
美人できれいな七瀬ちゃんに似合う、かっこいい人だった。