中学生になると途端に友だち関係が上手くいかなくなった。


思春期は不安定になるというけれど、私はそんな世界で生きることが上手ではなかったんだと思う。

いじめられていたわけではないし、ひとりぼっちだったわけでもない。
だけど友だちから『結衣の悪口言ってたよ』と聞かされることが多くなって、実際にクラスメイトが自分の悪口を話している場面に遭遇して。


『意地悪』
『ノリが悪い』
『なんか暗い』


そんな言葉は私の好きなものにまで広がっていった。

今みたいに嘘をつくことも、愛想をふりまくこともしていなかった当時の私は、『趣味は?』と聞かれて『ジェットコースターに乗ったり、お化け屋敷に行くこと』なんて変な回答をしてしまった。


それからは余計バカにされるようになった。
好きなものを笑われて、心がすり減って、苦しくなって。

同級生たちが絶対に行かないような高校に行こうと決めたのに、彼だけは一緒だったのだから本当に変な縁で結ばれている。


そして私は決意した。
理想の自分になりきって、高校では嫌われないようにしようと。


意地悪だと言われたからひとには人一倍優しく。
ノリが悪いと言われたからノリは良く。
なんか暗いと言われたから笑顔で明るく。

自分でもよくわからないけれど、あまり悩むこともなくすぐに演じられるようになった。

変な才能があったのか、また同じようなことにはなりたくないという焦りでできたのかはわからない。


それでも結局、自分を偽らなければよかったと後悔する日が来てしまうのだけれど。