「じゃあ帰ろっか! 結衣の家どっち?」

「あ、私はこっち」

「あたしらこっちだからここでバイバイだね」

「そっか……七瀬ちゃん、ひまわりちゃん、ふたりとも本当にありがとう」


ぺこりと頭を下げると、ぽんぽんと優しく撫でられた。


「いーよ。じゃまた学校でね、結衣」
「おだいじにー!」


ふたりが歩いていくのを手を振りながら見送る。
そうしてしばらくすると、隣にいた瑠々ちゃんが私の手を握った。


「瑠々たちも帰ろ~!」

「うん。瑠々ちゃんも本当にありがとう。送ってもらっちゃってごめんね」

「いいよいいよ~」


てくてくと街灯に照らされた道を歩く。


「それにね、瑠々、ゆいぴーと話がしたかっただけなの」
「え?」


思わず彼女の顔を見る。
すると優しく微笑まれた。


「ほら、やっぱりふたりじゃないと話しにくいかなって」


それはやはり大切な話があるという前振りで。
ドキリとしながらもグっと覚悟を決める。