桐谷くんとは本当に付き合ってない。
だけど今の瑠々ちゃん視点からするとどうだろう。
いつも通り恋バナのつもりで好きになった人を報告して、みんなに応援してもらって。
でも応援してもらっていたと思っていた友だちが実は、自分の好きな人と付き合っていたかもしれなくて。
それならばなぜ、自分が彼のことを好きだと言ったときに何も言ってくれなかったのか。
友だちだと思っていたのに、思っているから好きになった人を伝えたのに――
ああ、こんなの裏切りだ。
瑠々ちゃんは私の言葉を信じてくれただろうか。
桐谷くんとは本当に付き合ってなんかないのに、今の私は怪しすぎる。
だって彼女には隠し事をしているから。
私も桐谷くんのことが好きだってことも、今までの彼との出来事も関係も全部。
話さないと。
嫌でも怖くても話さなければ、彼女との縁が切れてしまう――
「家が近いだけだ」
「え?」
重苦しい空気の中、突然凛とした声が響く。
みんなが視線を向けても桐谷くんは物怖じせず続ける。
「早坂とは家が近いんだよ。だから登校するときに倒れたコイツを見かけて助けた。仲が良くなくても倒れてるクラスメイトがいたらフツー助けんだろ」
「それ、さっきも聞いた……」
「丸江が疑うからもう一回言ってやってんだよ!」
じとっとした目線の瑠々ちゃんにキレる桐谷くんはなんだか物珍しい。
ぽけっとしていると、「でもさあ」とひまわりちゃんが話す。
「倒れたからってただのクラスメイトを自分の家に上げるかって疑問なんだよね、瑠々は」
「えっ、た、たしかに……?」
「お前はどっちの味方なんだよ!」
思わず同意してしまうと桐谷くんはこっちにもキレてきた。
ごめんと謝るとさっきの瑠々ちゃんのようにじとっとした目つきで睨んでくる。
だって本当にどうして彼が私を家に上げてまで看病してくれたのかわからないんだもん……!
これも桐谷くんの普通なんだろうか。
彼が私の願い通り、私たちのことを秘密にして、かばってくれているお礼がしたいけれど、あいにくなにもいい言葉が浮かんでこない。
だけど今の瑠々ちゃん視点からするとどうだろう。
いつも通り恋バナのつもりで好きになった人を報告して、みんなに応援してもらって。
でも応援してもらっていたと思っていた友だちが実は、自分の好きな人と付き合っていたかもしれなくて。
それならばなぜ、自分が彼のことを好きだと言ったときに何も言ってくれなかったのか。
友だちだと思っていたのに、思っているから好きになった人を伝えたのに――
ああ、こんなの裏切りだ。
瑠々ちゃんは私の言葉を信じてくれただろうか。
桐谷くんとは本当に付き合ってなんかないのに、今の私は怪しすぎる。
だって彼女には隠し事をしているから。
私も桐谷くんのことが好きだってことも、今までの彼との出来事も関係も全部。
話さないと。
嫌でも怖くても話さなければ、彼女との縁が切れてしまう――
「家が近いだけだ」
「え?」
重苦しい空気の中、突然凛とした声が響く。
みんなが視線を向けても桐谷くんは物怖じせず続ける。
「早坂とは家が近いんだよ。だから登校するときに倒れたコイツを見かけて助けた。仲が良くなくても倒れてるクラスメイトがいたらフツー助けんだろ」
「それ、さっきも聞いた……」
「丸江が疑うからもう一回言ってやってんだよ!」
じとっとした目線の瑠々ちゃんにキレる桐谷くんはなんだか物珍しい。
ぽけっとしていると、「でもさあ」とひまわりちゃんが話す。
「倒れたからってただのクラスメイトを自分の家に上げるかって疑問なんだよね、瑠々は」
「えっ、た、たしかに……?」
「お前はどっちの味方なんだよ!」
思わず同意してしまうと桐谷くんはこっちにもキレてきた。
ごめんと謝るとさっきの瑠々ちゃんのようにじとっとした目つきで睨んでくる。
だって本当にどうして彼が私を家に上げてまで看病してくれたのかわからないんだもん……!
これも桐谷くんの普通なんだろうか。
彼が私の願い通り、私たちのことを秘密にして、かばってくれているお礼がしたいけれど、あいにくなにもいい言葉が浮かんでこない。