「――てるの?」
「――えよ」
「じゃあ――」
「――は早坂に――」


誰かが話している声で意識が浮上する。
まだ眠たいけれど体の意思に逆らわず目を開けると、心配そうに私を見ているひまわりちゃんと目が合った。


「結衣!」
「ひまわりちゃん? どうして……」
「ひまわり声大きいよ、結衣しんどいんだからね」
「でもゆいぴー目ぇ覚めてよかったよ~」
「だからさっき起きてゼリー食ったって言ったろ」


部屋の中にはひまわりちゃんだけじゃなく、七瀬ちゃんや瑠々ちゃん、桐谷くんもいた。

なんだかみんながこうして話しているのを見るのは変な感じだ。
いやまず、私が桐谷くんの部屋にいることが変なんだけれど。


「うるさくしてごめん! だけど結衣が倒れたって聞いて心配だったんだよー!」


私の手をぎゅっと握ってそう話すひまわりちゃんの表情にいつもの笑顔はない。

心配かけちゃったな……
そう思いながら体を起こすと、時計が目に入る。

時刻はもう夕方で授業は終わっている時間だ。